金融抑圧時における投資
金融抑圧以降の短期債券市場を概観
QTにより、全ての資産が上昇する時期は終了し、QEの効果の巻き戻しが起こっている。多くの資産が停滞・下落していく中、portofolioを如何に構築するべきか?
明確なトレンドが見いだせない中、まずは短期金利(federal funds rate)と短期国債との関係性を考察する。
FF rate : Effective Federal Funds Rate ( https://fred.stlouisfed.org/series/FF )
BIL etf : T-Bil less than 3 months ( http://www.etf.com/BIL )
SHV etf : T-Bill less than 1 year ( http://www.etf.com/SHV )
BSV etf : Mix of dollar-based bonds with 1-5 years ( http://www.etf.com/BSV )
MINT etf : Active ETF that hold USD-denominated debt less than 1 year ( http://www.etf.com/MINT )
FF rateと各種ETFの利回り・価格推移
FF rateとほぼ同じ動きをするBIL, SHV.
この相関の高さから、この二つのETFはasset allocationを考える際に第一の出発点にするべきだと思う。
QE時に2007年中旬から2009年初めにかけて5%->0%に減少。
QT時(2015年12月)から徐々に上昇。2018年5月で2%付近まで上昇。
この上昇ペースは、減少に比べて約半分。
逆に、BSVはQE時は2014年頃まで4%から1%までゆるやかに減少。
一方で、QT以降あまり金利が上昇していない。
BSVは14%ほどを米国以外の(主に)先進国に投資している。主要先進国の金利は米国と比べ低いままなので、これが影響していると思われる。
どのETFも価格変動は2%程度。
しかし、短期金利が動くときは価格の動き方が異なる。
金利減少時(2009年まで)
一定:BIL
上昇:SHV (+2%), BSV (+8%)
→金利が減少する場合はBSVに投資をするのが得であり、
BILでは大分損をする。
金利上昇時の各ETFを拡大
1. BIL, SHVは同じペースでyeildが上昇。
考察: SHVの上昇が遅いのではないか?
金利低下時の動きからすると、SHVの価格は1%ほど減少しても良いが、未だに見られない。そのため、SHVの金利が低いのではないか?
現時点ではBILに投資する方が無難である。
2. BSV : 変わらないyeildと、減少する価格
BSVのyeildとFF rateはかなり近づいている。BILと比べても0.5%ほど高いだけである。価格は順調に減少している状況でBSVに投資するのはリスクしかない。
以上見た限りでは、BILに資金を保管すれば、元金を失わずに短期金利上昇の恩恵に与かれる。逆に、他のETFは初期投資資金を失う恐れが高い(配当と含めれば±0か)。
なお、BILへの投資はFEDが金利上昇を辞めるまで有効である。
Long : BIL.