高リスク債券を考える
安定的に5-10%の利益を上げる戦略
前回の記事で短期債券を考察したが、今回は長期・高リスクの債券を用いることで、5-10%の運用益を目指す。
なお、下記のETFを解析対象とした。
TLT : iShares 20+ Year Treasury Bond ETF
http://www.etf.com/TLT
BLV : Vanguard Long-Term Bond ETF tracks a market-weighted index of investment-grade U.S. government, corporate, and international dollar-denominated bonds with maturities of at least 10 years.
http://www.etf.com/BLV
EMB : iShares JPMorgan USD Emerging Markets Bond ETF tracks an index of US-dollar-denominated sovereign debt issued by emerging-market countries with more than 1B USD outstanding and at least two years remaining in maturity.
http://www.etf.com/EMB
EMLC : The VanEck Vectors J.P. Morgan EM Local Currency Bond ETF tracks an index of debt issued by emerging market governments and denominated in local currencies of the issuers.
http://www.etf.com/EMLC
PCY : The Invesco Emerging Markets Sovereign Debt Portfolio tracks an index of US-dollar-denominated sovereign debt in emerging markets with at least 3 years to maturity.
http://www.etf.com/PCY
FF rateと各種ETFの利回り・価格推移
- BLV, EMBの配当は年一度(12月、1月)調整が入る。
- この10年の配当率は、TLT < BLV < EMB = PCY < EMLC.
EMBの方が配当が安定していないので、PCYを選好するべき。
- この10年、緩やかに配当率は減少しているが、FF rateへの依存は短期ほど強くない。
(20年以上の債券だから当たり前?)
- EMLC以外は似たような価格変動を示す。変動幅は10-20%ほど。
変動率が一番高いのはTLT.
金利上昇時の変動
この一年程度に関しては、TLTとそれ以外で異なる動きをしている。
- 利回り
2018年2月ころからBLV, EMB, PCYは1%ほど上昇。
一方、TLTの利率は変化しない。2018年6月の時点で、TLTとFF rateとの差が1%ほどしかない。(20年以上の債券だから当然か。) - 価格
TLT以外は10%ほど下落。つまり、価格が減少した分、利率が上昇したことを示す。
TLTの価格は今後下落するのか??
FF rateの影響はそんなに大きくないと思われる。
注意するべきは、QT (FEDのbalance sheet縮小)か?(この点については次回考察)
金融危機時の債券価格
- FF rateを一貫して下げても債券の価格は下がらなかったが、2008年末の危機ではEMB, PCYは暴落(-40%)している。一方、TLTは30%ほど上昇している。
→次回の危機でも同様のことが通じるか??
金利との関連(低金利時を)
先ほどの記載と矛盾するようだが、2010-2015頃までは、金利差の影響を大きく受けている。この期間に関しては、FF rateが下がりきった時点で購入し、FF rateの上昇がひと段落した時点で売すれば、10-20%ほどのcapital gainが得られる。
これは、次の相場でも使えるテクニック(多分)。
ただし、今のように緩やかに上昇し続けるときは使えない。
Bottom line
現時点では静観。