レイダリオ The World Has Gone Mad and the System Is Broken

2019年11月5日の記事

https://www.linkedin.com/pulse/world-has-gone-mad-system-broken-ray-dalio/

 

現状コロナショックによる経済の停止に着目されているが、以前から問題となっている"big paradigm shift"についてRayの考えを自分なりに整理する。

 

現状1. 過剰な流動性、金余り

投資家は中央銀行により提供された流動性により、投資先の利率が低い(マイナス)でも投資せざるを得ない。本来、消費に使用して欲しいが、投資にお金が向かうので、経済は上向かず、インフレも上がらず、ただ資産価格が上昇していく(そして将来の期待リターンは減少)現象が見られたのが2009年以降の世界である。

債券価格だけでなく株式も上昇した理由:

①金余り、②dot-comバブル以降のテック企業の成功。企業は今や利益を出すことや、利益を出す道筋を提示せずとも、夢を売るだけで、投資が必要以上に得られる。(これはテスラ、Uber、Weworkなどを指すと思われる)。

money is essentially free for those who have money and creditworthiness

現状2. 政府の債務超過 

政府は国債を発行し続けており、この負債を中央銀行がお金を増刷することで買い支えている(そうしなければ、国債の利回りが上昇してしまう)。この赤字増加は、特に準備通貨を持っている国(日本、EUアメリカ)では止まらない。

現状3. 年金と医療保険の支払い負担増 

 不足分をどうするか?選択肢は以下の三通り

①支給額を減らす②増税③紙幣を増刷

③が一番大衆の批判を受けない。ただし、この方法は現状1で見たように、資産価格のみを上昇させる傾向にあるので、貧富の格差は拡大する。③の最大のリスクは、準備通貨としての価値を失うこと。

また、政府がこの方策に失敗すると、①か②を取らざるを得ない。増税すると富裕層は他国へ逃げてしまう。そのために政府はそれを阻止しようとする。(外国送金の不便さ、マイナンバー制度の導入など、日本は既に阻止に動いているとみるべき。)

結論

 Because the “trickle-down” process of having money at the top trickle down to workers and others by improving their earnings and creditworthiness is not working, the system of making capitalism work well for most people is broken.


This set of circumstances is unsustainable and certainly can no longer be pushed as it has been pushed since 2008. That is why I believe that the world is approaching a big paradigm shift.

これからは今まで成功してきた方法が通用せず、投資、仕事、生活についてこれから根本的に見直す必要があることを示唆している。