Buy gold? -- 利下げ局面での金投資 --

レイダリオがlinkdinで記事を更新したように、現在は金投資が注目されている。

そこで、リーマンショック時を振り返り、goldについて再考する。

 

2001年から2014年までのデータでFF rate、S&P500(SPY etf)、Gold (GLD etf)、Gold minors (GDX).縦軸は、FF rateもしくは、金融危機時の最低値を1とした時の相対値。

f:id:y-toshimichi:20190726140536p:plain

 

f:id:y-toshimichi:20190726143609p:plain

1. 利下げ前 (2007年7月):SPY、GLD、GDXともに上昇。

2. 第一回利下げ(2007年7月; 4.25% -> 2008年5月; 2.00%): SPYは10%ほど減少。GLD、GDXは30%ほど上昇。

3. 利下げ停止(2008年5月 -> 2008年8月):SPY、GLD、GDXともに10%ほど減少。

4. 利下げ再開 (2008年8月; 2.00% -> 2009年1月; 0.15% 特に2008年10月は1%もの利下げ)。

SPYの最低値:2009年3月  ピークから50%減

GLDの最低値:2008年10月  ピークから25%減

GDXの最低値:2008年10月  ピークから60%減

ここから上昇に転じ、

GLDの最高値:2011年8月 2.5倍

GDXの最高値:2011年8月 3.0倍

これは恐らく、QE2の終わりがピークだったと思われる。

参考:QE1(2008年11月-2010年6月、1兆7250億ドル)QE2(2010年11月-2011年6月、6000億ドル).

 

こう振り返ると、利下げだけでは株価と金価格のは下げ止まらず、QEが必要だったことが分かる。

また、金鉱株は利下げ時にS&P500以上に下げており、注意が必要。

金価格に関しては、2008年10月の最低値は2007年7月の利下げ直前とほぼ同じ。(利下げ期間に上昇して下落)

 

現状考えられる戦略は?

前回との大きな違いは、利下げ前に2.5%しかFF rateが無いことである。

2019年7月末に利下げが予想されるが、これがリーマンショック時の二回目の利下げに相当すると、金に投資する場合、20%ほどの減少を一時覚悟する必要がある。その程度の下落を織り込んで投資(運用資産の10%ほど)を開始する。

QEが始まったら金投資に注力して良い。

リスク

QEが行われない場合は要注意。